キャンサーボードについて
キャンサーボードって、何でしょう?
2008年から、がん診療連携拠点病院の指定要件として、「がん患者の病態に応じたより適切ながん医療を提供できるよう、キャンサーボードを設置し、定期的に開催すること」との要件が加わりました。
キャンサーボードは、がん対策推進基本計画やがん診療連携拠点病院の整備に関する指針では、「がん手術、放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の専門を異にする医師等によるがん患者の症状、状態及び治療方針などを意見交換・共有・検討・確認等をするためのカンファレンスをいう。」と定義されています。
キャンサーボードは、がん診療連携拠点病院間で統一された実態なのでしょうか?
拠点病院からの現況報告として、厚生労働省で収集、国立がん研究センターがん情報サービスなどで公開されていますが、キャンサーボードの内容は実に様々で、各医療機関内で使われる用語としても、全科的なボードを指すものから、症例検討会を指すものまで、病院によりばらつきがあり、一定していません。また、実態も明らかになっていません。
がん対策推進基本計画では「取り組むべき施策」のなかに「放射線診断医や病理診断医などが参加するキャンサーボードを開催する」ことが含まれていることから、キャンサーボードの果たすべき役割は、治療方針のみではなく質の高い診断を確保することも想定されています。
キャンサーボードは「チーム医療の推進」に含まれていますね?
キャンサーボードの主たる構成者が医師であるということに相違はありませんが、医療全体として医師以外の職種が共同して最善の医療・ケアを提供していかなければなりません。そのためには、多職種が関わり密接なコミュニケーションを取り、意見交換を行う機会や体制が必要になります。
広島市民病院では、「キャンサーボード」についてどのように取り組んでいますか?
広島市民病院では、従来から診療科の垣根を越えて検討する「領域別キャンサーボード」は積極的に開催されていますが、臓器横断的に開催される「キャンサーボード」については、2008年まで明確な体制がありませんでした。がん診療連携拠点病院の指定要件に定義されたことから、2009年から検討し、病院全体、全職種で取り組む「キャンサーボード」の体制と運営を明らかにし、症例提示に応じて、2014年からは月に一度を目安に開催しています。
広島市民病院における、「キャンサーボード」に係る体制をご紹介します。
キャンサーボード運営委員会の体制と委員の担当領域
キャンサーボードの設置と運営について
キャンサーボード案内(第22回)