循環器内科について
循環器内科は4つの部門で診療しております。
1.虚血性心疾患
心筋梗塞、狭心症といった、命にかかわる疾患の治療をしております。心臓の筋肉に栄養を供給する冠状動脈の閉塞や狭窄にて虚血性心疾患は発症します。
1980年代より、急性心筋梗塞への緊急カテーテル治療をしており、24時間、365日緊急症例に対応しております。
心筋梗塞、狭心症ともに、治療にはステントを使用することが多いです。また、血管が石灰化により堅くなっている際にはロータブレーター、ダイアモンドバック、ショックウエーブといった石灰化を削る特殊な道具を使用します。また、レーザーカテーテルを使用することもあります。当院は、ロータブレーターの認定施設です。
冠状動脈に狭窄があっても、内服治療、カテーテル治療、バイパス治療の3つの治療法があります。狭窄があっても、内服治療で十分な場合もありますし、バイパス手術が必要な重症な患者さまもいらっしゃいます。心臓外科と連携して患者さまに適切な治療法を判断し、治療方針を決定しております。
2.末梢血管疾患
足の動脈狭窄や閉塞の患者さまも増加しております。以前は外科的なバイパス術が主流でありましたが、最近ではほとんどの病変がカテーテルにより低侵襲で治療可能です。
3.構造的心疾患
心臓弁膜症、とくに大動脈弁狭窄症は日本人の高齢化とともに増加しております。多くの患者さまは、80歳を過ぎたころから弁膜症が重症化し、手術が必要になった際には外科的な手術が困難な年齢であり、治療ができないこともありました。2016年より、大動脈弁狭窄症へのカテーテル治療(TAVI)を開始しております。ご高齢でも低侵襲のカテーテルで弁膜症治療ができるようになりました。
また、僧帽弁閉鎖不全症も増加している弁膜症です。カテーテルにより、僧帽弁閉鎖不全症の治療(Mitra Clip)も2022年より開始しました。以前では手術できないご高齢の患者さまの治療も可能となっております。
卵円孔開存による脳梗塞の患者さまへのカテーテルによる卵円孔閉鎖術、心房細動なのに抗凝固剤が内服できない患者さまへの経皮的左心耳閉鎖術も当院にて施行可能です。
4.不整脈
動悸や失神といった症状で不整脈はみつかることがほとんどです。とくに年齢とともに心房細動の患者さまは増加しております。無症状でも放置しておくと、脳梗塞を発症の原因となります。また、心臓の機能が低下し、心不全となることもあります。適切な対応が必要です。最近ではカテーテルアブレーションで心房細動の治療が可能となりました。
また、脈が遅くなると失神やふらふらしたりする症状が出現します。ペースメーカーで治療できる場合もあります。また、不整脈が原因で心肺停止となり、幸運にも蘇生できた患者さまや、突然死の原因となる不整脈が発見された患者さまに、植え込み型除細動器を使用することもあります。
最後に
心臓の機能が低下した状態が心不全です。心不全は心臓病の末期です。心不全となると、入退院を繰り返すうちに心機能がさらに低下して、死にいたります。心不全にならないように、心臓病の早期から、適切な、迅速な治療が必要です。当院循環器内科にてほとんどの循環器疾患は治療可能です。豊富な実績をもつスタッフで、365日24時間体制で診療しております。