当院では、ほぼ全ての臓器のがん治療に積極的に取り組んでいます。多くのがん治療の主体となるのは外科治療、いわゆる手術です。現在、本邦では、稀ながんを除いては治療指針(ガイドライン)が作成されており、当院でも治療指針に則った手術を行うことを原則としています。その上でより患者さんに負担の少ない(患者さんに優しい)手術、あるいはより治療成績向上が見込める手術にも取り組んでいます。
手術は、「切る」ことや「刺す」ことによって少なからず、患者さんの身体に負担(侵襲)をかけます。当院では可能な限り患者さんの負担が少なく治療成績を損なわない手術、いわゆる低侵襲手術(治療)を行っています。
大腸がんを例にとりますと、最も負担の少ない治療は大腸内視鏡で腫瘍を切除する「大腸内視鏡的摘除術」です。お腹や皮膚に傷をつけることなく行えるこの治療は、その適応が広がるとともに年々増加してきていますが、やはりごく早期のがんに限られるのが現状です。
つづいて負担が少ないのは腹腔鏡手術です。この手術ではお腹を大きく切開する必要がないため、患者さんの回復が早く、傷も目立たないという利点があります。
大腸がん以外も同様の治療を行っており(各診療科のページをご参照ください)、いずれの領域も国内有数の治療経験を有しています。
2012年より導入し外科(食道がん、胃がん、直腸がんなど)、呼吸器外科(肺がん)、泌尿器科(前立腺がん、腎がんなど)、婦人科において順調に導入が進んでおり、それぞれ保険診療が可能となっています。
現在最新のダヴィンチXi(daVinci Xi surgical system)を用いて手術を行っており、特に食道がん、前立腺がんに関しては全国トップクラスの症例数を有しています。(詳しくは各診療科のホームページをご覧ください)
がんを完全に切除できる方法がいくつかあれば、患者さんにとって楽な方法を取るべきで、それが低侵襲手術であることは上に述べた通りです。しかし、病状によっては患者さんにご負担をかけても標準的な手術範囲を越えて切除しなければならないことがあります。特に単一の診療科が専門とする臓器以外の臓器までがんが及んでいる場合は、複数の診療科合同でこれらの合併切除を行わなければなりません。当院は前述したように各診療科に経験豊富な医師が多数おり、このような「大きな手術」も安全に行うことができます。
癌に対して手術、薬物療法、放射線治療それぞれが非常に進歩してきていますが、進行したがんで手術、放射線治療、薬物療法など単独では対応できない状況においては、さらにそれらを併用して治療を行うこと(集学的治療)で治療成績の向上を目指すことが可能です。StageⅣの癌で手術が困難な場合でも薬物療法、放射線治療を併用することで完全切除が可能となる場合もあり、また手術だけでは完全切除が困難な場合でも術後に薬物療法あるいは放射線治療を行うことで生命予後の延長や状況によっては完全治癒も得られる場合もあります。
放射線治療は、手術療法、化学療法とともにがん集学的治療の三本柱の一翼を担う重要な治療手段です。 また、2007年に施行されたがん対策基本法に基づいた「がん対策基本法」の重点課題には放射線治療の推進が明記されており、放射線治療への期待は急速に高まりつつあります。 近年の放射線治療機器および放射線治療技術の進歩は目覚ましく、強度変調放射線治療(IMRT)、強度変調回転放射線治療(VMAT)、画像誘導放射線治療(IGRT)、定位放射線治療(SRT)などの高精度放射線治療が可能となりました。 高精度放射線治療では、“がん”の周囲正常組織に照射される放射線を低減しつつ、“がん”に高線量を集中させることが可能です。これにより、副作用の増強を抑えて、治療強度を高めることで治療成績の向上が期待できます。
当院は高精度放射線治療が実施可能な放射線治療装置(リニアック)を2台設置しています。第1リニアック(2008年2月稼働開始のバリアン社製Clinac iX)では、局所進行肺がんや食道がんに対する強度変調放射線治療を行っています。第2リニアック(2016年度9月稼働開始のバリアン社製TrueBeam STx)では、頭頸部がんや前立腺がんをはじめ各種がんの強度変調回転放射線治療、早期肺がんや転移性脳腫瘍に対する定位照射を行っています。
放射線治療には以下のような利点があります。
1)進行しているために手術ができないがん患者さん、高齢や低身体機能で医学的に手術が困難な患者さんでも治療が可能。
2)機能や形態の温存が可能であり、患者さんのQOL低下が少ない。
3)切らずに治すため、身体的、精神的負担が手術と比べて軽い。
4)“早期がんから進行がんまで”、“頭の先から足の先まで”、“根治治療から緩和治療まで”守備範囲が広い。
当科では照射直前に放射線治療装置自身で撮影したCT画像をもとに位置誤差を修正するIGRTという技術を用いてミリメートルの位置精度で照射を行っています。 これはIMRTやSRTなどのいわゆる「高精度放射線治療」に限らず従来法の照射においても照射位置精度を担保する上で有用な技術でありこれまで以上に位置精度の高い放射線治療が可能となっています。 ただし装置自体の精度管理もこれまで以上に重要になっており当院では機器の幾何学的精度線量精度を維持するために放射線治療品質管理委員会(平成22年)および放射線治療品質管理室(平成25年)を設け、放射線治療システム全体の品質管理・品質保証に努めています。 どうぞ安心して放射線治療をお受けください。
がんの治療において、薬物療法は重要な役割を担っています。その進歩は著しく、毎年のように新しい薬剤が開発されています。薬物療法は進行したがんに行うだけでなく、手術後に再発を防ぐ目的で投与することや、手術で切除できない部位のがんに対して放射線治療と併用して行うこともあります。
薬物療法は、患者さんの状態やがんの種類、また治療目的(根治を目指す、進行を抑える、症状を和らげる等)に合わせて薬剤が選択され、主に抗がん剤といわれる「殺細胞性抗がん剤」や「内分泌(ホルモン)療法薬」、「分子標的治療薬」を単独もしくは併用して使用します。最近では免疫療法として新しい作用機序の薬剤も保険で使用が認められ、『免疫チェックポイント阻害剤』が選択されることも増えてきました。『免疫チェックポイント阻害剤』は、がん細胞によってブレーキをかけられてしまった体内の免疫の状態を元に戻し、免疫細胞(T細胞等)ががん細胞を攻撃できる状態にする薬剤です。
薬物療法を行う上で、副作用の管理は非常に重要になってきます。薬の種類によって副作用は異なりますし、同じ薬を使っても副作用には大きな個人差があります。日常生活への影響だけでなく、油断をすると命に関わるものもあるので、治療を始める前には病院での十分な確認と患者さんの理解が重要です。
治療を開始する前だけでなく、治療中や治療終了後に疑問を持たれたり、いつもと違う症状がみられた際には、必ず医師、薬剤師や看護師に相談してください。
当院は地域がん診療連携拠点病院(高度型)の指定を受けており、がん治療は全ての分野に於いて、学会のガイドライン等で確立された最新の標準的治療を採用しています。薬物療法においてもエビデンスに基づいた治療を高い水準で行うことのできる施設です。専門家が適切に質の高い治療を行うことで予後の延長が期待できます。
しかし残念ながら多くのがんは、薬物療法だけで根治することがまだまだ難しいのが現状です。従って当院は高次医療機関としての使命から、より優れた治療法の開発を目的とした臨床研究や、新規薬剤の開発治験等も積極的に行い治療の進歩に貢献しています。
当院では、がん治療に使用するがん薬物療法レジメン(以下、レジメン)については多職種で構成されるがん薬物療法部会にて審査・承認をしております。承認されたレジメンは2020年4月よりホームページ上で公開しております。
他の保険医療機関又は保険薬局の医療従事者の皆様におきましては、質の高い外来がん治療を提供するために、レジメン内容を把握した上で適正な副作用のモニタリング、服薬状況の確認などの重要な情報を当該医療機関にフィードバックして頂くことをお願い致します。
投与薬、投与量、投与スケジュールや支持療法は患者の状態によって変更させる場合があります。
※当院は連携充実加算を算定しております。
がん薬物療法 レジメン一覧
「がん」という病気にかかると、状況によっていろいろな症状に悩まされることがあります。
また、「抗がん剤」など「がん」の治療も何らかの症状を引き起こすことがあります。
「緩和ケア」は、これらの症状を緩和して、よりよい生活が送れるように援助することを目標にする医療です。
当院には多職種からなる「緩和ケアチーム」があり、身体的な症状だけでなく精神的な問題や社会的な問題についても援助できる体制を整えています。
緩和ケアチームは主治医と協力して活動するチームですので、何か気になることがありましたら、遠慮無く主治医の先生やがん相談室などに相談してみてください。
AYA世代とは、Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)のことをいい、15歳から39歳の患者さんがあてはまります。 年間、約2万人のAYA世代の方が、がんの診断を受けており、その90%以上は20歳以上の方です。 年代によって発症しやすいがんの種類が異なることが知られています。 日本のデータでは、15歳から19歳では小児にも発症しやすい白血病、リンパ腫、骨軟部腫瘍、脳腫瘍といったいわゆる希少がんが多い一方で、これらのがんは20代では徐々に減少し、30代では特に女性の乳がん、子宮頸がんや消化器がんといったがんが多くなります。
AYA世代は、学校生活や就職、仕事、結婚、妊娠、子育てといった、生活環境、社会環境が劇的に変化する独特の年代です。 10代の患者さんの場合、これまでの学校生活や部活動、友人との付き合いなどが中断されることも多く、たとえば、学校行事や受験などの重要なイベントが予定通りに行えないことに対する不安や落胆は患者さんにとって大きな負担となります。 おおむね20歳から39歳までの患者さんの場合、就労、恋愛、結婚、出産などのライフイベントに応じて、一人一人に応じたサポートを行うことが大切です。 突然の入院などにより、通学や就労が難しくなるため、精神的、身体的、経済的困難を抱えている患者さんも少なくありません 。 治療と就学・就労の両立、がん治療と妊娠・出産、お子さんやご家族との関係など、患者さんのライフステージや状況に応じたサポートが求められています。
がん治療医、精神科医、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどの多職種で構成されるAYA世代支援チームが、AYA世代の患者さんとご家族のサポートを行っています。 定期的に支援チームでミーティングを行っており、多職種で協力・情報共有しながら、AYA世代の患者さんが治療に専念できるよう支援を行っています。 広島県の妊孕性温存ネットワークに参加し、がん患者さんの妊孕性温存のサポートを行っています。
2008年から、がん診療連携拠点病院の指定要件として、「がん患者の病態に応じたより適切ながん医療を提供できるよう、キャンサーボードを設置し、定期的に開催すること」との要件が加わりました。
キャンサーボードは、がん対策推進基本計画やがん診療連携拠点病院の整備に関する指針では、「がん手術、放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の専門を異にする医師等によるがん患者の症状、状態及び治療方針などを意見交換・共有・検討・確認等をするためのカンファレンスをいう。」と定義されています。
拠点病院からの現況報告として、厚生労働省で収集、国立がん研究センターがん情報サービスなどで公開されていますが、キャンサーボードの内容は実に様々です。
各医療機関内で使われる用語としても、全科的なボードを指すものから、症例検討会を指すものまで、病院によりばらつきがあり、一定していません。また、実態も明らかになっていません。
がん対策推進基本計画では「取り組むべき施策」のなかに「放射線診断医や病理診断医などが参加するキャンサーボードを開催する」ことが含まれていることから、キャンサーボードの果たすべき役割は、治療方針のみではなく質の高い診断を確保することも想定されています。
広島市民病院では、従来から診療科の垣根を越えて検討する「領域別(臓器別)キャンサーボード」は積極的に開催されています。これは胃癌、大腸癌、肺癌などというように、それぞれの臓器別に内科、外科、放射線治療科や必要に応じて放射線診断医や病理診断医参加の上で、症例検討を行うもので、各領域別に週1、2回程度開催されています。
一方臓器横断的に開催される「総合キャンサーボード」については、2008年まで明確な体制がありませんでした。がん診療連携拠点病院の指定要件に定義されたことから、2009年から検討して、病院全体、全職種で取り組む「総合キャンサーボード」の体制と運営を明らかにしました。多くの症例は「領域別キャンサーボード」で解決して診断、治療方針を計画することができます。しかし中には非常に稀な癌や、進行した重複癌(複数の臓器の癌が別個に発生したもの)など、「領域別キャンサーボード」のみでは解決できないことがあります。そのような症例に遭遇したときに、担当医は直ちにキャンサーボード委員を通じて「総合キャンサーボード」の開催をリクエストします。リクエストがあると必要な人員が集められ、速やかに「総合キャンサーボード」が開催されます。また「総合キャンサーボード」開催のリクエストは医師に限らず、全てのメディカルスタッフが行うことができます。このように当院では概ね1週間毎臓器別に開催されている「領域別キャンサーボード」と、必要に応じて随時開催される「総合キャンサーボード」があります。
「総合キャンサーボード」では下記のような症例を検討してきました。
開催日 | 回数 | |
---|---|---|
平成23年 | 第1回 | 症例① 画像状SDであるが腫瘍マ-カ-が著増している化学療法中の若年女性結腸癌肝転移症例 |
症例② 画像状SDであるが腫瘍マ-カ-が著増している化学療法中の若年女性結腸癌肝転移症例 | ||
症例③ 進行大腸癌、早期大腸癌、早期胃癌、転移性肺腫瘍の1例 | ||
第2回 | 症例① 心窩部および背部痛が進行性に増悪する確定診断に難渋する若年男性、巨大後腹膜腫瘍の1例 | |
症例② 原発不明の腋窩アポクリン腺癌 | ||
第4回 | 症例① 化学療法が必要と考えられた進行Paget病の1例 ─ドセタキセル投与(適応外)の可否について─ | |
症例② 化学療法が必要と考えられた多発小腸癌の1例 ─適応外の使用について─ | ||
第5回 | 食道原発が疑われ、頸部腹部リンパ節および小腸・膵臓に転移を認める未分化癌の1例 | |
第6回 | 治療方針決定に難渋する後腹膜に多発する脂肪肉腫の1例 | |
第8回 | 胃がん術後に肝転移再発を来した1症例に対する今後の治療方針について | |
第9回 | 上行結腸癌術後に肝転移巣を切除し、その9ヶ月後に新規肝転移巣と肺転移を認めた症例 ─再手術の適応について─ | |
平成24年 | 第10回 | 肺転移を伴う進行肝細胞癌に対する肝切除の適応について |
第11回 | 結核の既往を有し、虫垂腫瘍、進行胃癌に伴った原因不明の大量腹水の一例 | |
第12回 | 治療方針に難渋する 肺癌・スキルス胃癌・腎細胞癌 同時性重複癌の一例 | |
第13回 | 術後の治療方針に苦慮するCA19-9産生前立腺癌の一例 | |
平成26年 | 第17回 | 原発不明癌の転移性卵巣癌の治療方針 |
第18回 | 早期食道癌と膵浸潤を合併した高度進行胃癌に対して化学療法奏効後の治療方針 | |
第19回 | 胃癌術後、再発疑い病変に対する診断と治療法 | |
第20回 | 甲状腺髄様癌術後、頚部リンパ節再発の手術適応と併発する両側副腎腫瘍の治療方針 | |
第21回 | 残胃癌に対して残胃全摘術後、近位側遠位側ともに断端陽性であった症例の今後の治療方針 | |
第22回 | 進行胃癌に十二指腸狭窄および胆道狭窄を併発した症例の診断と治療方針 | |
平成27年 | 第23回 | 良悪性の診断に難渋する多発腹腔内リンパ節腫大の一例 |
第24回 | 症例① 前立腺癌術後に傍大動脈リンパ節腫大が出現し、CTガイド下生検にて小細胞癌と診断された一症例 | |
症例② 胸部から骨盤にかけて広範に認められる診断困難な多発腫瘤の一症例 | ||
第25回 | 重篤な合併症を有するPS不良進行肺癌患者に対する未承認薬使用の是非について | |
平成28年 | 第26回 | 多発骨および肝転移を認めた原発不明癌の治療方針 |
第27回 | StageⅠ乳癌および盲腸粘膜癌手術後に肝転移を来たし、縦隔リンパ節転移も疑われる症例の治療方針 | |
第28回 | 腹膜播種を認める原発不明癌の治療方針について | |
第29回 | 非常に稀な悪性腹膜中皮腫の治療方針について | |
平成29年 | 第30回 | 原発不明後腹膜腫瘤の今後の方針について(H30.12.27部長会にて症例報告済) |
第31回 | 骨転移により下肢麻痺を生じている原発不明癌の治療について(H30.12.27部長会にて症例報告済) | |
平成31年 | 第33回 | CVポートカテーテル先端位置が移動し内頚静脈血栓を生じた局所進行食道癌症例(H31.12.27部長会にて症例報告済) |
令和元年 | 第34回 | 巨大骨盤内腫瘍に対する今後の治療方針について |
第35回 | 原発不明多発骨転移症例に対する治療方針 | |
第36回 | 肺癌、直腸癌、胃癌、食道癌の同時重複癌の症例について | |
令和2年 | 第37回 | 多発転移を認める原発不明癌の治療方針について |
第38回 | 巨大下大静脈塞栓を伴う直腸癌肝転移症例の診断と治療について | |
第39回 | 早期大腸癌内視鏡治療後に癌性腹膜炎を発症した症例 | |
第40回 | 右上葉肺癌術後に急速な増大を伴う左副腎腫瘤を認めた1例 | |
第41回 | 乳癌に併存した多発性肝腫瘍・膵腫瘍の1例 | |
令和3年 | 第42回 | 虫垂炎切除1年6ヶ月後に行った卵巣腫瘍摘出後の病理所見と虫垂標本再検により虫垂癌卵巣転移と診断された症例 |
地域におけるがん医療の連携の拠点として,自ら専門的な医療を行うとともに、他のがん診療を行っている医療機関との連携体制を構築することを目的に整備された医療機関で、手術や薬物療法、放射線治療など一定の要件を満たした施設が「がん診療連携拠点病院」として指定されています。 広島県内には、国が指定する12の病院とともに、県が指定する1病院の合わせて13病院が整備されています。(令和5年4月現在)
がん診療連携拠点病院では、がんの治療だけでなく地域のがん医療従事者への研修やがん患者の方へ対する情報提供や相談支援なども行っています。
当院は、診療実績と診療体制の整備を評価され、令和5年3月23日付けで「地域がん診療連携拠点病院」の指定(更新)を受けました。令和5年4月現在、「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けた病院は、全国で333施設となりました。がんを取り巻く環境は日々変化しています。
当院では、令和4年9月にがんゲノム医療センターを開設し、最新の遺伝医療を提供する体制を整備しました。
今後も、がん患者さんの治療やケアの充実のため、研鑽に努めるとともに、地域の病院や診療所と連携し、医療の充実を目指します。
がん相談支援センターでは、患者さんやご家族からの がんに関する疑問や不安、悩みにお応えするため、 「がん相談支援センター」を開設しています。専従の医療ソーシャルワーカーと看護師がお話を伺い、一緒に考えます。相談内容により医師、薬剤師、管理栄養士などの病院内スタッフと連携を取りながら、相談に対応します。
当院の入院・外来の患者さん・ご家族の方にかかわらず、他院の方や地域の方からの相談も受け付けていますので、お気軽にご相談下さい。
なお、がん相談支援センターでのがん相談は、医師による診察や検査を行うものではありません。具体的な治療の内容について、医師に代わって判断することはできません。
受付時間 | 午前8:30~午後5:00 (土・日・祝日、8/6、12/29~1/3を除く開院日) |
---|---|
場 所 | 管理棟1階 9番 医療支援センター内 「がん相談支援センター」 |
相談方法 |
電話相談 直通電話 082-221-1351 代表電話 082-221-2291 面接相談 予約をしていただくと、お待たせせずにスムーズに面談をすることができます。(原則予約優先) オンライン相談 スマートフォン、パソコン、タブレットを利用するオンライン相談です。ご希望の方は「オンラインがん相談」申し込みフォームからお申し込みください。 |
費 用 | 無料 |
利用客アンケート |
「相談支援の質向上」のため、アンケートを実施しています。 ご協力をお願いします。 こちらからアンケートにお進みください。 実施期間:2024.6.1 ~ 2024.9.30 |
その他お気軽にご相談下さい。秘密は厳守致します。
以下は国や県の情報サービスとなります
https://ganjoho.jp/public/index.html
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/
患者さんやご家族のがんの治療や生活全般に関する心配ごとや困りごとなどについて、がん相談員が一緒に考えたり、一般的な医療情報の提供を行ったりしています。
対面相談や電話相談とは異なり、以下のようなメリットがあります。
オンラインミーティングツール 「ZOOM」 を用いて相談を実施します。 相談希望の方は、相談当日までに以下のとおりご準備ください。
【ご準備いただくものなど】
相談をご希望の3日前 (土・日・祝日、8/6、12/29~1/3を除く) までに、「オンラインがん相談」申込フォームからお申込みください。業務状況により、ご希望日に相談をお受けできない可能性があります。予めご了承ください。
「オンラインがん相談」申込フォーム
時 間 | 第1木曜日 10:00~15:00(事前予約制) 出張就職相談日程表 |
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場 所 | ⑨医療支援センター内 がん相談支援センター |
予約方法 | ☎(直通)082-212-3190に電話してください。 |
※ ハローワーク利用以外でも仕事(就労)に関することについてもご相談ください。産業保健センターや社会保険労務士と協働し相談に対応することもできます。
がん体験者(がんピアサポーター)が、様々な不安や悩みについてお話を伺ったり、体験に基づく支援を行い、がん患者さんやご家族の皆さんをサポートします。
時 間 | 毎月第2火曜日 10:00~13:00 |
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場 所 | プロムナード 売店前 「医療情報サロン」 |
予約方法 |
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原則、事前予約が必要です。
※オンラインでの相談をご希望の場合は、電話でお問い合わせください。
医療情報サロンでは、がんを中心とした病気や治療、検査や薬、食事療法などの図書が閲覧できます。入院患者さんを対象に図書の貸し出しが可能です。また、インターネットでの医療情報検索もできます。(受付で申し込み手続きが必要)
各種がんの冊子コーナーや整容のためのアピアランスコーナーも設置しております。
場 所 | プロムナード 売店前 |
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開設時間 | 9:00~15:00 土日祝日・8月6日・12月29日~1月3日を除く開院日 |
利用者 | どなたでも無料でご利用できます |
注意事項 | 携帯電話での通話や飲食はご遠慮ください |
医療情報サロンでは、がん患者さん・家族の方を対象に、「~がんとともに~こころのサロン」を開催しています。病気や副作用についての勉強会を行っています。
内容は、医師等を講師に様々な医療情報を提供する「勉強会」と、患者さん・家族の方の交流の場「おしゃべり会」です。 現地(医療情報サロン)でも、オンラインでもご参加いただけます。
(※ オンライン参加の場合、安定した視聴をしていただくため、有線 LANやWi-Fi環境での受講を推奨します。)
がん相談員も一緒に参加してみなさんが話しやすくなるように、「前向きに!」をモットーにサロンを運営しています。
どうぞお気軽にご参加下さい。
対象者 | がん患者とその家族、友人・知人、医療関係者 |
---|---|
申込み |
下表「年間開催スケジュール」を確認のうえ、以下のいずれかによりお申し込みください。 (1)パソコン・スマートフォン予約・・・ホームページ申込フォームより (2)直接予約・・・「医療情報サロン」又は「がん相談支援センター」に (3)電話予約・・・がん相談支援センターまで |
定員 |
(1)現地参加・・・15名程度 (2)オンライン参加・・・定員なし |
参加費 | 無料 |
時 間 |
毎月第4火曜日 (勉強会)15:00~16:00 (おしゃべり会)16:00~16:30 |
場 所 | プロムナード 売店前 「医療情報サロン」 |
問い合わせ先 | ☎(代表)082-221-2291(内線2389)に電話してください。 |
『ハイブリッド開催』
開催日時 | テーマ | 講師 |
---|---|---|
4月23日(火) 15:00~16:00 |
① がん相談支援センターの役割
② がんピアサポーターのおはなし ※終了しました ポスター |
①がん相談支援センター
高木 成美 医療ソーシャルワーカー ②がんピアサポーター 2名 |
5月28日(火) 15:00~16:00 |
最近の泌尿器科のがんについて
※終了しました ポスター |
泌尿器科
佐古 智子 医師 |
6月25日(火) 15:00~16:00 |
一緒に学ぼう”緩和ケア”
~ACPを知っていますか?~ ※終了しました ポスター |
緩和ケア科
岡部 智行 医師 |
7月23日(火) 15:00~16:00 |
最近の肺がん治療について
※終了しました ポスター |
呼吸器内科
矢野 潤 医師 |
8月27日(火) 15:00~16:00 |
がん治療とリハビリ
※終了しました ポスター |
リハビリテーション科
溝口 絵里 作業療法士 |
9月24日(火) 15:00~16:00 |
最近の子宮がん・卵巣がん治療について
※終了しました ポスター |
産婦人科
築澤 良亮 医師 |
10月22日(火) 15:00~16:00 |
がん診療にまつわるお金の話
(両立支援を含めて) ※終了しました ポスター |
石田社会保険労務士行政書士事務所 石田 百合子 社会保険労務士 |
11月26日(火) 15:00~16:00 |
大切な人ががんになったら
※終了しました ポスター |
がん看護専門看護師
大森 和美 看護師 |
12月24日(火) 15:00~16:00 |
困っていませんか?
がん治療中の食事について 申込フォーム ポスター |
栄養室
角森 彩花 管理栄養士 |
1月28日(火) 15:00~16:00 |
最近の大腸がん治療について | 外科
澤田 紘幸 医師 |
2月25日(火) 15:00~16:00 |
今知っておきたい!放射線治療 | 放射線治療科
医師 |
3月25日(火) 15:00~16:00 |
がん治療中に伴う副作用への対処 | がん化学療法看護認定看護師
秋元 敬子 看護師 |
※都合により内容や講師が変更になる場合があります。 |
<サロンの様子>
当院では年間2、500名を超える新規がん患者さんが来院され、以前から積極的に「がん医療」に取り組んで参りましたが、平成18年8月に「がん診療連携拠点病院」の指定を機に、より一層の「がん治療の充実」を図るために当院独自の「K-net」という組織を立ち上げました。
「K-net」の「K」は、ドイツ語で「がん」を意味する「Krebs」の頭文字で、「K-net」とは病院内外のがんに関するいろいろなネットワークを総称した言葉だと理解して下さい。
「K-net」の活動として、
などを積極的に進めています。また、国立がんセンター中央病院のホームページにもリンクさせ、わが国のがん医療の現況や市民の方々が必要とされている情報も簡単に入手できるような環境整備を行っています。
http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpKyotenSearchTop.xsp
もはや「がん」は特別な病気ではなく、国民の2人に1人が罹り、3人に1人がお亡くなりになる病気です。当院の「K-net」が少しでも市民の皆様の健康増進や「がん治療」を考える上での手助けや、QOL(生活の質)の向上に役立つことを願っています。
奇数月 第3木曜日 18:00~20:00開催
対象:地域医療機関の方・当院職員(医師向け)
※ 現在募集中の医療者がん研修会はありません。
お問い合わせ先
偶数月 第3木曜日 18:00~19:00開催
対象:地域医療機関の方・当院職員
(看護師・薬剤師・医療技術者向け)
日時 | 演名・演題 | 申し込み | |
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令和6年12月19日(木) |
がんセミナー 第4回 認知症のあるがん患者の治療選択と意思決定支援 ポスター ■日医生涯教育講座 広島県医師会認定 2024年度 1単位(1) |
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※都合により日程等が変更になることがあります。 変更がある研修会は、★印で表示しますので、来院される際にはご注意ください。 ※<医師の方へ> 当院では開催する研修会・セミナーはその内容によって「日本医師会生涯教育講座」に該当する場合があります。詳しくはポスターをご参照ください。 ※<薬剤師の方へ> 当院では開催する研修会・セミナーはその内容によって「特定薬剤管理指導加算2の施設基準(2)保健医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法にかかる研修会」に該当する場合があります。詳しくはポスターをご参照ください。 |
お問い合わせ先
「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針」(厚生労働健康局通知)に基づいた集合研修会
年1回 8:30~受付、9:00~17:05開催
対象:➤ がん等の診療に携わるすべての医師・歯科医師
➤ これらの医師・歯科医師と協働し、緩和ケアに従事するその他の医療従事者
※ 感染症の拡大状況によっては、急遽Web開催となる場合がございますので、メールや当院のホームページにてご案内します。
当院で行うこの研修会は、地域がん診療連携拠点病院として、厚生労働健康局通知「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針」に基づいて開催します。
がん等の診療に携わるすべての医師・歯科医師、またこれらの医師・歯科医師と協働し、緩和ケアに従事するその他の医療従事者対象にがんその他の特定の疾病(以下「がん等」という。)において適切にがん等の治療の初期段階から緩和ケアが提供されるよう、基本的な緩和ケアについて正しく理解し、緩和ケアに関する知識や技術、態度を習得することを目的とします。
平成30年5月9日付け厚生労働健康局通知(最終改正健発0509第4号)「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針の一部改正」に準拠し、集合型研修を開催します。
また、国立がんセンター及び日本緩和医療学会主催の指導者研修会修了者等が研修会企画責任者、研修協力者として、緩和ケア研修会の企画、運営、進行及び講義を担当します。
この研修会を修了しますと、厚生労働省から修了証書が授与されます。
※ 現在募集中の緩和ケア研修会はありません。
広島市民病院の職員は、8/26(月)~9/6(金)までです。
広島市民病院以外の方 は、9/9(月)~9/20(金)までです。
※ 現在募集中の緩和ケア研修会はありません。
※ 現在募集中の緩和ケア研修会はありません。
医療支援センター内
緩和ケアセンター
(代表)082-221-2291
(FAX)082-221-2330
がん診療連携拠点病院の役割として、広島医療圏の指定医療機関(広島大学病院、県立広島病院、広島赤十字・原爆病院、広島市立安佐市民病院、広島市立広島市民病院の5施設)共催により市民に広くがん診療についての知識、がん診療連携拠点病院の役割について知っていただくための市民講演会を開催しています。
※現在予定されている市民講演会はございません。
がん診療に関する各部署において「PDCAサイクル」を実施し、がん診療の質・安全性の向上に取り組めるよう構築しています。
これまでに行った取り組みの概要
年度 | テーマ | 調査方法 |
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2014年度 | 外来化学療法 院内がん登録 |
広島大学病院担当者による各拠点病院訪問調査(広島大学は県病院が調査) |
2015年度 | がん相談支援センターの活動状況 | 各拠点病院担当者による相互訪問調査 |
2016年度 | 緩和ケアの実施体制 | 各拠点病院担当者による相互訪問調査 |
2017年度 | 脳腫瘍病理分類の実態 (年次推移状況)の調査 |
アンケート調査 |
2018年度 | 生殖機能温存の実態 脳腫瘍病理分類の実態 |
アンケート調査 |
2019年度 | 化学療法 | PDCAサイクル実施計画・管理表を用いた相互評価 |
2020年度 | アドバンスケアプランニングを含めた意思決定支援 | PDCAサイクル実施計画・管理表を用いた相互評価 |