病理部は、昭和42年9月に開設された形態診断部門で、日本病理学会の認定施設でもあります。 生検で採取された組織や切除摘出された臓器組織病変の組織診断を行う組織診、剥離擦過細胞や穿刺吸引で採取された細胞についての良悪性の診断を行う細胞診、病態の把握や死因の究明等を行う病理解剖の3業務を行っていますが、腫瘍性病変を含めて多くの病変では病理診断は最終診断という重要性を有しています。 職員は、病理医3名と臨床検査技師8名、衛生検査技師1名(うち4名は細胞検査士)の計12名で、さらに病理医1名が週1日勤務しています。 平成23年(2011年)の年間検査件数は組織診10879件、細胞診14961件、病理解剖15体です。組織診の件数には1182件の術中迅速組織検査の件数を、細胞診の件数も体腔液に限定して若干の術中迅速細胞診検査の件数を含んでいます。 組織診は、乳頭温存乳腺切除症例の増加や、ESDやEMRによる胃食道大腸の粘膜切離症例、粘膜切除症例の増加などで、検査件数の増加が顕著です。これらの症例では病巣の分布を正確に把握する必要性から、組織検索に際して全割標本を作製するため、一症例あたり作製する標本枚数も大幅に増加しています。細胞診は、平成18年から検査件数の算定方法の変更で、平成22年からさらなる算定方法の変更で検査件数自体が減少していますが、実質的には変わっていません。病理解剖は、最近は年間20体前後です。 各症例の検索に際しては、通常の組織学的検索に加えて、腫瘍性病変では腫瘍細胞の細胞骨格やその産生物質等を酵素抗体法により免疫組織学的に検索し、より正確な組織診断を行うように努めています。乳癌症例の増加に伴い、HER2/neu蛋白や、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体についての免疫組織学的検索も大幅に増加しています。また、腎生検や皮膚生検では、必要に応じて蛍光抗体法による免疫グロブリンや補体等の沈着の有無を検討し、電子顕微鏡による腎糸球体の検索も行っています。 設備面では、平成18年4月中旬から電子カルテに対応したバーコード管理による病理部門システムが導入されています。平成19年2月初旬には病理検査室の整備移転が行われ、検体処理や標本作製、鏡検等の作業環境が改善されました。平成19年2月末に病理解剖室と霊安室の整備移転が行われ、病理解剖室の空調設備が一新されました。