トップ > 一般の方へ > 診療科等案内 > 診療科 > 循環器小児科
本文を印刷する
ページタイトル:循環器小児科

スタッフの紹介

循環器小児科
名前 役職 主たる
診療分野
専門領域
鎌田政博 主任部長 小児循環器
川崎病
成人先天性心疾患
胎児心エコー診断
(胎児期心疾患)
日本小児科学会専門医
日本小児循環器学会専門医
日本小児循環器学会評議員
日本小児循環器学会専門医認定委員会委員
日本 Pediatric Interventional Cardiology(PIC)学会幹事
日本PIC学会教育委員会委員
ASOを使用した経皮的ASD閉鎖術認定医
ADOを使用した経皮的PDA閉鎖術認定医
日本川崎病研究会運営委員
中川直美 部 長 小児循環器
川崎病
成人先天性心疾患
経食道心エコー
日本小児科学会専門医
日本小児循環器学会専門医
日本小児循環器学会評議員
日本小児心筋疾患学会幹事
日本周術期経食道心エコー認定医
(AHA)PALSプロバイダー
石口由希子 医 員 小児循環器 日本小児科学会専門医

外来診察医

循環器小児科担当医表
診察

小児科外来
3診

鎌田 担当医 鎌田 中川 石口

科の対象疾患、特徴

循環器小児科の概要

 
まず、2008年度から小児循環器領域においても、専門医制度が導入され、当科はその修練施設として認定されています。循環器小児科の診療対象は、先天性心疾患、不整脈、川崎病、心筋症などがありますが、このうち中核となるのは、先天性心疾患:心奇形です。従来、循環器小児科医の仕事は、正確な診断と、術前・術後の管理であり、心奇形の解剖学的な修復・治療は、心臓外科の手に委ねられていました。しかし、近年、カテーテルインターべンション(カテーテル治療)の進歩により、一部の心血管系の異常に関しては、より低侵襲的に小児循環器医による解剖学的修復が行われるようになってきました。以下、小児科において行う検査法、治療法の概略、および当料の活動状況についてまとめてみました。


診断

 
1) 心エコー検査

心臓・血管の構造、機能などを、非侵襲的に評価することが可能です。また、血流の方向のみならず、血流速度を測定することにより、狭窄部前後の圧較差を推定することも可能です。 最も基本となる検査法です。
 

2) 胎児心エコー検査
対象は産科における胎児エコー検査で、心拡大、胎児水腫、染色体異常などを指摘された場合、重症先天性心疾患をもった御家族がおられる場合などです。細部まで論じることが困難であっても、重症例の8割以上が出生前に発見でき、新生児期の管理がより安全に行えます。
 

3) 心電図

トレッドミルテスト    : 最も信頼性の高い運動負荷テストです。ベルトコンべアの上に乗り、3分ごとに傾斜とスピードが速くなって行きます。不整脈の発生状況、虚血性心疾患の重症度判定の他に運動耐応能なども評価でき、運動許容域をきめるにも重要な検査です。
ホルター24時間心電図: 24時間を通じて心電図の変化を見る検査です。睡眠中の不整脈、昼夜の不整脈の出現頻度の差などを見るのに適し、例えば幼稚園児・学童の園、学校生活のなかで、どのような時に不整脈が発生しているか、実生活の中で観察できます。ウォークマンのような機器を身につけた状態で記録を続けますが、大人しくしているのでは無く、普通生活を続ける必要があります。

 
4) CT

末梢の点滴ラインから造影剤を注入して撮影します。検査中動かずにいる必要があり、乳幼児では鎮静剤を使用することが少なくありません。血管系の評価に優れています。心房中隔欠損症などで肺静脈の還流をチェックする場合、新生児の大動脈縮窄症などが良い適応となります。

 
5) MRI

造影剤を使用せず、また放射線の被爆無しに、血管、心内構造の評価ができる検査法です。
ただし、検査中1時間前後動かずにいる必要がありますので、通常乳幼児では鎮静剤を使用します。

 
6) RTシンチグラフイー

小児循環器領域では、肺血流シンチ、心筋シンチが主なものです。末梢の点滴ラインから放射性物質を注入して撮影します。肺血流シンチでは肺の血流分布状況、肺動脈の血栓・塞栓などを評価するため、肺動脈閉鎖症、原発性肺高血圧症、また感染性心内膜炎などが検査対象になります。心筋シンチは心筋の血流分布異常、虚血の有無、重症度などを検査でき、川崎病、その他の虚血性心疾患、心筋症などが検査対象となります。この場合、薬物負荷を行い心筋のダメージの程度を評価します。
以上の検査は外来で行うこともできます。

 
7) 心臓カテーテル検査・心血管造影検査

これは上記の検査法と異なり、いわゆる侵襲的な検査法です。通常足の付け根の大腿静脈、大腿動脈からカテーテルを心臓まで挿入し、心血管内の圧、酸素飽和度を測定します。その計算から、心臓・血管内にどの程度の孔・交通があるか、どの程度動脈血と静脈血が混じりあっているか、どの程度弁・血管が狭いか、どの程度肺血管抵抗が高くなっているか(肺の血管が硬くなっているか)などを計測することが可能です。また、心血管内に造影剤を注入することにより、孔の大きさ、心内の部屋・血管の大きさ・形などを実際にみることが可能です。通常3日間の入院が必要です。
         

カテーテル治療

 
カテーテル治療:大きくわけてバルーンカテーテルを使用して、血管、弁に対する狭窄病変を解除する方法と、コイルASO(後述)などを利用して異常血管や欠損孔を閉塞する方法があります。
 

1) BAS(バルーン心房中隔裂開術)
新生児の心房中隔欠損孔を拡大し、右心房と左心房の間の交通を良くする術式です。適応は完全大血管転位症、三尖弁閉鎖、僧帽弁閉鎖例などです。
 

2) 弁の狭窄解除
肺動脈弁、大動脈弁、特に前者がよい適応となります。年齢が大きくなり、肺動脈弁の弁輪径が大きくなるとバルーンを2個同時に使用して行う必要があります。大動脈弁狭窄の解除に於いては、逆流の合併が問題になります。
 

3) 血管の狭窄解除
大動脈縮窄症(術後再狭窄例)、左右肺動脈狭窄の解除などが行われます。前者に関しては90%以上の効果が得られます。後者に関しては、狭い部分の形態により成績は全く異なりますが、総じて50−60%の成績です。また、大動脈縮窄症で心室中隔欠損、動脈管開存症の合併していないものでは、手術に頼らず、最初からカテーテル治療で狭窄を解除する場合もあります。しかし、生後3カ月以内に施行しなければならないような症例では再狭窄の可能性が高くなります。
 

4) 動脈管の塞栓
コイルを動脈管内に留置し、そこに形成される血栓により動脈管を閉塞します。95%以上の成功率があり、過去11年余で200件以上の経験がありますが、稀にコイルが脱落し、これを回収しなければならない場合があります。新生児期に処置が必要な大きな動脈管は現在のところ対象外です。 
              

5) ファロー四徴症に対する肺動脈弁形成術 
ファロー四徴症における肺動脈狭窄は、肺動脈弁下狭窄、弁性狭窄、弁上狭窄が様々な程度に組み合わさったものです。私達はファロー四徴症に対してもバルーン肺動脈形成術を行っています。目指すところは弁性狭窄の解除により、肺血流量を少しでも増やすことです。その結果、チアノーゼは軽減し、最終手術(根治術)までにチアノーゼ発作を合併する症例、バイパス手術(BT シャント手術)を必要とするこどもたちは減少しました。なお、カテーテル治療(バルーン肺動脈形成術)に適した時期としては、チアノーゼ発作が起こりやすくなる前、すなわち生後1カ月までが良いと考えています。現在、症例数は30例を超えています。

              

6) Amplatzer septal occluder (ASO)を用いた心房中隔欠損症(ASD)のカテーテル治療 
平成19年度に全国11番目の施設として認定され、当科でもASOによるASDのカテーテル治療を行うことができるようになりました。平成19年4月1日現在での認定施設は、九州2、中四国2(当科と岡山大学小児科)、近畿4、中部4、関東5、そして東北以北0となっています。適応について、全例にカテーテル治療が可能ではなく、大動脈後方を除いた欠損孔周囲に、最低5mm、できれば7mm以上のrim(縁取り、心房中隔幅)が必要です。約3割の方では外科手術が必要です。この手技は全身麻酔下に行う必要がありますが、その理由はASDの形態、rimの大きさを確認するため、またASOの留置状態、遺残短絡を確認するため、経食道心エコー(胃カメラのような直径1cm弱の管の先に心エコー検査を行うための機器が装着されている)による評価が必要であるるためです。入院期間は原則5日です。

              

7) Amplatzer duct occluder(ADO)を用いた動脈管(PDA)のカテーテル治療 
平成22年度よりADOを用いたPDAの治療が可能となり、大きいサイズの動脈管をより安全かつ用意に閉鎖することが可能になりました。中四国で同カテーテル治療を行うことができるのは、当科のほか、岡山大学小児科、愛媛大学小児科のみですので、成人の方も、これらの小児科で治療を受けていただくことになります。現在までのコイルによる成績と併せて考えると、未熟児、新生児例を除いて97%の動脈管を胸を切らずに閉鎖することが可能と考えています。入院期間は原則4日間です。
   

活動状況

 
心臓カテーテル検査件数は約250/年であり、その約40%以上がカテーテル治療例です。2007年度からは心房中隔欠損のカテーテル治療を、2010年からは動脈管のADOによるカテーテル治療(前方)を行うことが可能になりました。心臓エコー検査件数は3200/件前後です。私達のTime tableは前述しましたが、小児科、未熟児新生児科はもちろん、心臓血管外科、小児外科、麻酔蘇生科、産科などと密な関係を取り合って、診療を行っています。川崎病などの冠動脈狭窄例などでは、循環器内科のバックアップもあり心強い限りです。外来では通常の外来の他に5月〜8月は学校心臓検診の診断・管理に大忙しで、朝から晩まで心電図・心エコーとにらめっこをしている状態です。
私達の小児循環器外来は、子供の外来という位置付けでなく、先天性心疾患を有する患者さんの外来と位置付けていますので、成人に達した複雑心奇形の患者さんのfollow upも行っています。将来は高校生以上の患者さんを対象とした先天性心疾患外来日を別に設けたいと考えていますが、現時点ではその余裕がないのが実情です。
 
また、心臓病の子供を持つ親の会:広島支部との関係も密で、新年会、夏休みのキャンプなど、会員また御家族の方との貴重な時間を共有して過ごしております。