| 胎胞脱出 |
妊娠22週あたりで突然子宮頚部がゆるんで胎胞が腟内に脱出することがあります。この場合、子宮頚管縫縮術を行いますが、より子宮頚部を強く絞めることの出来る可能性の高い「シロッカー氏手術」を行うことを基本としております。それでも100%の人が妊娠末期まで妊娠継続を可能とするのは困難と言わざるをえません。また児の予後は22週ではあまり良いとは言えません。
なお、法律的には妊娠22週未満は流産、それ以降は早産となります。最近は管理が良くなってきており、妊娠22週コロの胎法脱出は減少してきております。
|
| 双胎妊娠 |
多くは二卵性?できる二絨毛膜双胎の場合にはそのうち1児が小さなまま成長することはありますが、その胎児が他の胎児に影響を及ぼすことはありません。一方、一卵性双胎の大部分を占める一絨毛膜二羊膜双胎または、一絨毛膜一羊膜双胎は胎盤を共有しますので、一児が他の児に影響を及ぼすことがあります。そのため、妊娠初期に膜性診断と言って超音波で卵膜の状態を調べておくことが必要です。一絨毛膜二羊膜双胎の場合、80%以上はほぼ順調な妊娠経過をたどりますが、残りの10‐15%は双胎間輸血症候群という一方の胎児の血液がもう一方の胎児へ供血し、体重差が出現するとともに一方の胎児が心不全を起こして死んでしまうというものです。
この場合、残りの胎児は死んだり脳神経障害を起こしてしまう可能性が高いことが知られております。この分野の発達は近年目覚ましく、妊娠中期に吻合血管を内視鏡下に焼灼することが良い成績を上げることにつながっております。当科ではその手術は行っていませんが、適応を見極め、国内の専門施設を紹介させて頂いております。また、これらの患者さんの場合、分娩の時期を決定するのが非常に難しいのですが、臍帯血流や胎児の脳血流あるいは胎児の心臓の大きさや血流を測定することなどにより分娩時期の決定を行っております。
|
| 品胎妊娠 |
最近は減少しましたが、年に2‐3名はおられます。品胎(3胎)妊娠の症例数としては全国でも多い方です。そのため、豊富な経験に基づき加療しております。基本的には妊娠12週頃子宮頚管縫縮術を、また24週頃には入院安静加療、子宮収縮の抑制と安静により妊娠34週頃までの妊娠継続を一応目標とし、様々な事情で場合によりそれより前または後に娩出を図る方針としております。
実際には妊娠高血圧症候群の悪化やその他症状で、やむなく34週頃の分娩となることが多いようです。34週まで妊娠継続されますと、児の予後は極めて良好です。
|
子宮内胎児
発育不全 |
胎盤機能の低下によるものか、胎児の体格自身が小さいだけなのかによって加療方法が異なります。胎盤機能が低下した場合には分娩というストレスを胎児にかけるのは、新生児仮死を招く原因となる可能性が高いといえます。
超音波カラードプラによる臍帯血流や胎児の脳血流を測定することによりある程度の予後が推察されます。分娩監視装置と併用することにより分娩の時期を決定し良い結果をもたらしております。子宮内胎児発育遅延の胎児は最近、妊娠高血圧症候群に陥りやすい可能性ことが判明しており、妊娠中は厳重な管理をさせていただいております。
|
| 切迫早産 |
早産傾向にあるもので、陣痛を抑制するために24時間点滴をおこなうこともしばしばです。妊娠中期に子宮頚管長を測定し早産傾向にある場合や、前回の妊娠が早産に終わった場合などでは子宮頚管縫縮術を行うこともあります。積極的に早産予防の管理を行うことにより分娩後母児同時に退院できるよう努力しております。
当院産科外来では、子宮頚管長や子宮収縮など健診時に注意を払っております。しかしながら、全ての患者さんに対して早産が予防できるわけではありませんので、妊婦さん本人の自覚が大切です。いつもとは変わった下腹部痛や帯下(おりもの)、出血などがあれば早めに医師に相談して頂くことが最も大切です。
|
| 合併症妊娠 |
最近は糖尿病合併妊娠なども多く認めます。早期発見につとめ、インシュリンの自己注射などを行えるよう一時入院することもあります。その他、子宮筋腫合併症妊娠など、いろいろな合併症がありますが、それぞれ専門医と協力して治療に当たっております。
|
| 胎児奇形など |
妊娠初期に見つかれば、その予後について最近の知識を交えながら相談させていただいております。希望があれば妊娠16週頃、自費ですが染色体異常の検査も行っております。羊水の異常が妊娠中期以後に見つかる症例で、消化管の異常がある場合などは当院小児外科と相談しながら対処しております。
当科では妊娠20-21週ころ胎児の状態をスクリーニング外来を開設し、超音波検査でチェックさせて頂いております。今まで致死性の病気を見つけることも出来ております。
ただ、まだわからない部分も多いですので、過大な期待はしてもらっても困りますが、超音波での出生前診断の向上により、出生後早期からの治療の体制が確立され、予後の向上に一役かっております。
|
前置胎盤・
常位胎盤早期
剥離など |
緊急の手術体制を整え、出来る限り30分以内の帝王切開分娩が可能となるよう努力しております。現時点では帝王切開の決定から児の娩出まで最速で10分程度で可能です。
|
| その他 |
以上に取り上げた疾患以外にも多くの疾患を取り扱っております。
|