【高齢者肺癌の治療】
近年、高齢化社会となり、80歳以上のご高齢の患者さんが増えております。肺癌も例外ではありません。また、元気な80代の人が増えているのも事実です。80歳という暦年齢だけではなく、“からだ年齢”を十分に評価したうえで、治療法を検討しています。その結果図3のように、80歳以上の人の手術件数は年々増えています。
【気胸】
自然気胸(特発性気胸、続発性気胸)は、何らかの原因で肺に穴があき、胸腔(胸の器のなか)に空気が漏れて貯まる病気です。10〜20歳代、70歳代の男性に多いです。急激に症状が出てくることがほとんどです。なかでも、緊張性気胸(胸のなかの圧が異常に高まる状態)は、緊急処置が必要な危険な状態です。
再発を繰り返す場合、空気の漏れが止まらない場合、出血を伴う場合、などには手術を行っております。手術は99%に胸腔鏡下手術を行っています。術後平均約3日での早期退院が可能になっています。
【転移性肺腫瘍】
転移性肺腫瘍の手術適応については、原発腫瘍(もとになっている癌)によって、検討する必要があります。手術を行う場合は、機能をできるだけ温存するよう肺部分切除を基本とし、可能なかぎり胸腔鏡手術を行っています。
【縦隔腫瘍・胸腺関連疾患】
縦隔腫瘍としては、前縦隔に発生する胸腺腫が最も多いですが、他に胸腺癌、胚細胞腫瘍、神経原発性腫瘍など多岐にわたります。疾患ごとに治療方針を検討し決定しております。また、特殊な疾患として、重症筋無力症があります。この疾患は自己免疫疾患で抗アセチルコリンレセプター抗体という抗体ができ、筋肉の膜のアセチルコリンレセプターに結合するために筋力が弱くなります。この抗体がつくられるのに胸腺が係わっていることが多く、胸腺組織とその周囲の脂肪組織を広汎に摘出することで治癒を目指します。
【臨床試験】
西日本がん研究機構(WJOG)に施設登録しており、臨床試験に参加しております。
【最後に】
当科外来は東棟2F、病棟は呼吸器(外科、内科)ゾーンとして、中央病棟7階にあり、北側病室からは広島城が見え、風光明媚です。われわれスタッフは、毎週水曜、木曜の早朝に術前・術後のカンファレンスおよび抄読会を行い、治療方針の検討や医療知識のアップデートを行っております。また、毎週月曜、金曜の早朝に外科合同カンファレンスに参加しています。(表)

そのほか、学会活動、論文執筆も積極的に行い、一人でも多くの呼吸器疾患に悩む患者さんが元気になっていただけるよう、ハイレベルな診療を提供すべく日々努力しております。